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中学校
学校教育法第45 条に「中学校は,小学校における教育の基礎の上に,心身の発達に応じて,義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする。」と規定されている。
その教育は,小学校で学んだ知識や技能を深め,国家社会の形成者としての資質を養うとともに,職業に関する基礎的な知識技能,勤労尊重の態度,個性に応じた将来の進路選択能力の育成,社会的活動を通じて,感情を正しく導き,公正な判断力を育成することをねらいとしている。
- 心身の特徴
- 中学生期は,小児から大人への変化の時期であり,小学生期に比較すると心理的にも不安定な時期にあたる。中学生の行動変容は,どちらかと言えば,成人に対するような科学的あるいは感情的な背景を必要とすることが多く,規則などでの管理的側面や一方的な知識の導入だけでは効果が少ないと言われている。また,身体的にも抵抗力が向上してくることから健康を意識する場面が少なく,健康行動よりも,単に外面的な美しさを求めるような行動様式を取ることが多くなる。生活面においても,生活範囲の拡大や課外活動等への参加に伴う生活時間の変化や夜型の生活になりがちなど生活習慣に大きな変化が見られる時期である。
歯・口の健康づくりにおいても,口腔内に対する気付きが希薄化する時期である。健康行動が希薄化すると当然のことに口腔内は不潔となり,歯肉炎の発症から歯肉出血さらに口臭の出現となり,対人関係においても課題が出てくることも考えられる。また,思春期になると性ホルモンの影響で歯肉炎が発生しやすくなる。 - 保健指導のねらい
- 「生きる力」をさらにはぐくむという視点では,中学生の観察力を持ってすれば,歯・口の状態と評価は十分に可能であり,健康課題を明らかにしようとする意識と課題発見能力を向上させ,その課題を解決しようとする真摯な態度を培いたい。
咬合の異常あるいは歯列不正では習癖との関連も理解しておく必要があるが,歯列矯正する必要のある生徒では適応の時期となる。さらに,運動やスポーツによる口腔外傷の増加する時期であるから,それらに対する予防についての理解も必要となる。なお,顎関節症状を訴える生徒も出てくるので専門的な支援が必要になることもある。 - 課題
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- 咀嚼と体の働きや健康とのかかわりの理解
- 歯周病の原因と生活習慣の改善方法の理解と実践
- 第二大臼歯及び歯の隣接面のむし歯の予防方法の理解
- 歯周病や口臭の原因と予防等に関する理解
- 自分に合った歯・口の清掃方法の確立
- 健康によい食事や間食の習慣,生活リズムの確立
- 運動やスポーツでの外傷の予防の意義・方法の理解