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小学校
学校教育法第29 条に「小学校は,心身の発達に応じて,義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを目的とする。」と規定されている。
そして,義務教育として行われる普通教育の目標は学校教育法第21 条に示されているが,同第30条2 項には「(略)生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用いなければならない」としている。
小学校期は幼児期に始まる基本的な生活習慣の確立を図りながら,さらに健康課題に対しては自律的に取り組むことができるように支援することが重要である。
全般的な身体的特徴としては,脳頭蓋の大きさは6 ~ 12 歳で成人の93%~ 97%まで成長し,顎の高さと深さは10 ~ 12 歳でだいたい成人の大きさに達する。また,混合歯列期に相当するため,顎骨内での永久歯の形成,乳歯の脱落,歯槽骨の成長,永久歯の萌出などの成長発育が同時におこり,複雑な変化をしている。
低学年
- 心身の特徴
- 第一大臼歯や中切歯の生える時期であり,児童が自らの体の変化や成長に初めて気がつく極めて重要な時期である。
- 保健指導のねらい
- 幼児期と同じように児童自らが問題に気がついたり,その問題を解決しようとしたりすることは難しく,学校にあっては教職員を,家庭にあっては保護者を,手本として行動を模倣する時期である。
- 課題
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- 好き嫌いなく,よく噛んで食べる習慣づくり
- 規則的な食事の習慣づけと間食のあり方
- 第一大臼歯のむし歯予防と管理
- 歯の萌出と身体の発達の気づき
- 自分の歯・口を観察する習慣づけ
- 食後の歯・口の清掃の習慣化と自律
- 休憩時間等での衝突・転倒等による歯・口の外傷の予防
中学年
- 心身の特徴
- 犬歯や小臼歯の交換時期にあたる。
- 保健指導のねらい
- 引き続き基本的な生活習慣の確立を図りながらも,やや理解度が増してくるので,「なぜ」「どうして」というような原因についても考えるようにする。
- 課題
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- 好き嫌いなく,よく噛んで食べる習慣の確立
- 規則的な食事の習慣づけと間食のあり方
- 上顎前歯や第一大臼歯のむし歯予防と管理
- 歯肉炎の原因と予防方法の理解
- 自分にあった歯・口の清掃の工夫
- 歯の形とはたらきの理解(とくに,側方歯群の交換期にあたるので咀嚼指導,給食時の指導は重要である)
- 休憩時間等での衝突・転倒等による歯・口の外傷の予防
高学年
- 心身の特徴
- 乳歯から永久歯への交換が終了したり,第二大臼歯が生えたりする時期である。
- 保健指導のねらい
- 幼児期からの自己中心型から離脱し,自・他あるいは個・集団を理解して判断力も増加し主体的な生活が可能になってくる。この時期は基本的生活習慣をさらに意識化し,確立させる段階といえる。
- 課題
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- 咀嚼と体のはたらきや健康との関わりの理解
- むし歯の原因とその予防方法の理解と実践
- 第二大臼歯のむし歯予防と管理
- 歯周病の原因とその予防方法の理解と実践
- 自律的な歯・口の健康的な生活習慣づくりの確立
- スポーツや運動等での歯・口の外傷予防の大切さや方法の理解