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公益社団法人 日本学校歯科医会

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学校種別の課題

高等学校

学校教育法第50 条に「高等学校は,中学校における教育の基礎の上に,心身の発達及び進路に応じて,高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。」と規定されている。
高等学校は義務教育ではないが,97%以上の国民が進学するため,ほとんどの人は高等学校に進学する。高等学校は教科担任制を採っている関係で,特別活動,特にホームルーム活動における保健指導の実施等が大切であり,機会をとらえて健康課題を取り上げる必要がある。ただ,学校歯科医として高等学校の教員と接するとき,あるいは,校内研修の機会や教材提供,学校行事としての歯科保健講話を行う場合に,その内容の充実,整理にはとくに留意する必要がある。

心身の特徴
顎骨の成長発育はほぼ終わり,永久歯列は完成し安定しているが,上級生では第三大臼歯(智歯)の萌出に際して炎症を起こす智歯周囲炎という疾病を持つことがある。歯列不正や不正咬合あるいは顎関節症や口臭に関して興味・関心を持つ生徒が多くなり,同様に歯肉炎で歯みがき時に出血するような場合には関心が出てくる。高校生では,中学生に増して疾病の背景因子について科学的な説明が必要と考えられる。成人の入り口に達するので,生涯にわたる健康づくりの視点が必要である。
保健指導のねらい
高等学校を卒業すると歯科健康診断はほとんどない。それは,成人に対しての歯科健康診断が法的に整備されていないためで,高校3 年生の健康診断が終了すると,歯・口の健康に関しては他律的な健康管理はなくなり自律的な健康管理へと移行する。そのため,生涯を通じて心身ともに健康な生活のできる自己管理能力を養うことの一環として,歯・口の健康状態を向上させ,それを維持していく能力を養うことに重点をおく。また,間もなく自分の子どもの健康に責任を負う大人としての自覚を養うことも必要である。
課題
  • 生涯にわたる健康づくりにおける歯・口の健康診断の重要性の理解
  • 歯・口の健康づくりに必要な生活習慣(咀嚼,規則的な食事,歯・口の清掃等)の確立
  • 歯周病予防の意義と方法の理解と実践
  • 自分の歯・口の健康課題への対応
  • スポーツや運動での歯・口の外傷の予防の意義や方法の理解と実践
  • 顎関節と習癖との関係の理解と確認

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