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歯列・咬合が要観察と指摘されました。どのようなところを観察し、どのようになったときに精密検査を受ければよいのでしょうか?
健康診断のときに要観察「1」と指摘されたら、どの部位、どの状態が要観察なのか説明をよく聞いて現状をよく把握してください。たとえば、歯の生え替わり方がおかしいとか、歯並びがガタガタしていないかとか、上下の歯がきっちりとかみ合っているかといったところをよく観察してください。また、食事の時、食べにくかったり、発音がしにくいとかあるいは、顔の外見を気にし過ぎるようなことがあれば、養護教諭、学校歯科医あるいはかかりつけの歯科医に相談してみましょう。
さらに次のような症状が観察されれば、精密検査を受けた方がよいでしょう。
    小学校低学年で、上下の前歯が生えそろったころ、
   1)極端な受け口(反対咬合)や上顎前突になっている。
   2)上あごと下あごが極端にずれている。
   3)奥歯でかんだとき前歯がかみ合わない。
   4)下の前歯がまったく上の前歯に隠れてしまっている。
    小学校高学年になって
   1) 歯と歯の間の隙間が大きい。
   2)歯並びが極端にガタガタしている。
歯列・咬合が要観察と指摘されました。毎日どのようなことに気をつけて生活すればよいでしょうか?
栄養や食材のバランスを考え、歯ごたえのある食品をよくかんで食べるようにしましょう。あごの骨や筋肉を鍛え、健全な口腔機能を果たせるようにしましょう。

食事の時にいつも片側だけでかむ癖がありませんか?頬づえをついたり、うつ伏せになったり、いつも同じ向きに寝たりしていませんか?指吸い、ほっぺた吸い、唇吸い、舌の突き出しなどの変な癖がありませんか?口を開けていることが多く、口を開けていないと息がしにくいことはありませんか?このような歯列や咬合に悪い影響を与える癖は、早く治すように努力しましょう。日ごろから、規則正しい生活習慣を身につけ、口を結んで背筋を伸ばした姿勢を心がけましょう。
 食事は時間をかけてよくかんで食べましょう。
 お話をするときには、はっきりと相手に聞き取りやすいようにしゃべるようにしましょう。
 むし歯や歯周病にならないように、歯みがきを丁寧にしましょう。
 上顎前突などになっていると、口や歯をぶつけた時に唇が切れたり、歯が折れたりしやすいので気をつけるようにしましょう。
顎関節が要観察と指摘されました。どのようなところを観察し、どのようになったら、精密検査を受ければよいでしょうか?
 口を開けるときに痛みがありませんか?口が開けにくかったり、閉じにくかったりしませんか?かみしめた時、こめかみのあたりが痛いことはありませんか?
 このような状態が長く継続している時には、精密検査を受けた方が良いでしょう。
顎関節が、要観察と指摘されました。毎日どのようなことに気をつければよいでしょうか?
 日頃から、顎関節を含む口腔器官の健全な発育を目指して、左右均等によくかんで食事をするように努力しましょう。歯ぎしりや食いしばりの癖はできるだけ早く治しましょう。大きな物を無理に一口で食べようとしたり、片側だけでしかかまないような癖は、顎関節にとってはよくないことです。わざとあごの関節の音を出してみせるようなことはやめましょう。
 定期的に、1年に2回ぐらいは経過を観察してもらうようにしましょう。
 しかし、必要以上に神経質になることはありません。
CO・GOって何?
当会が、昭和60年から提唱し、平成7年の学校健康診断から導入された学校歯科保健の用語です。検出基準は、学校歯科医の方はご存知と思いますが、COの検出にあたっては、検出基準を平成15年に改め、「主に視診で行う」となりましたので、ご注意下さい。
また、CO・GOともに学校歯科保健の用語であって、臨床の正式な学術用語ではありません。学校や家庭での保健指導等を行いながら経過を観察し、歯と口腔の健全な育成を目指すことを目的として設定したものですので、学校健康診断後に治療勧告書(健康診断結果のお知らせ)を持って、児童生徒が歯科医院を訪れた折には、明らかなでない場合は、治療を急がず経過を観察して下さい。また、一定期間経過後は、必ず臨時の健康診断を行い、もしになってしまったら、直ちに治療を勧めて下さい。
※児童生徒・保護者の皆様へ
COは、テレビCMにも流れているように「むし歯になりかけの歯」です。また、GOはそのままにしておくとひどい歯肉炎になってしまう恐れがあります。
いずれも正しい歯みがき方法を励行し、食生活を改善する等を行えば、進行を止めたり健全な歯や歯肉に戻ることもあります。
特に低年齢の児童の場合は、正しい歯みがきができない場合が多いので、保護者の方が、仕上げみがきをすることをお勧めします。
正しい歯みがき方法については、学校や歯科医院でお尋ね下さい。
歯・口・顔の発育に悪影響を及ぼす癖や習慣にはどのようなものがありますか?

歯は、舌や頬や唇の圧力のバランスのとれた位置に並んで生きています。このバランスに異常な圧力が外から加わると、歯の位置やかみ合わせの異常が生じてきます。かみ合わせのずれは、ひどくなると、顔の左右のずれも起こしてくることになります。
指しゃぶり(タオルや毛布をしゃぶっていることもある。)、舌を前の方に突き出す癖、唇をかむ癖、爪かみ癖、口で呼吸をする癖、歯ぎしり、頬づえをつく癖あるいはいつも同じ向きに寝る癖があるなど、生活習慣の中で見られるものがほとんどです。

歯・口・顔が健やかに発育するためにはどのようなことに気をつけて子育てすればよいでしょうか?

昔から、食卓を囲んだとき、親は子どもに、「姿勢をよくして、よくかみなさい」と注意をします。この言葉の中に質問に対する答えが入っていると思いませんか。
まず姿勢を正すということです。頭がしっかりと安定していなくては、十分にかむ力を発揮できません。首がふらふらしているようでは、首を支えている筋肉といっしょになって働く顎の筋肉の働きがちゃんと発揮できないからです。首の筋肉はまた、全身の骨格や筋肉によって支えられています。つまり、かむことには、身体全体がかかわりを持っているのです。姿勢をよく保持するためには、身体全体を支えている足腰がしっかりしなくてはなりません。最近の子どもたちは、家の中で、テレビゲームなどで遊ぶことが多く、外で運動して遊ぶということが少なくなってしまっていませんか?身体を動かすことが少なければお腹も空きませんし、食欲もなくなります。基本は、しっかりと運動し、正しい食習慣を身につけ、よくかんで食べることが大切です。

口を開けてクチャクチャ音を立てて食べるのですが、どうしたらよいでしょう?

口を開けて音を立てて食べることは、「しつけ」や「礼儀作法」の点からも決してよいことではありません。昔から言われてきているしつけや作法は、心身ともに健康であるために大変理に適ったことだとも言えます。
口を開けて食べれば、食べ物をこぼしやすいですし、かむ回数も減少しますし、飲み込むための食塊の形成もうまくいかないために、飲み込むときには、口のまわりの筋肉を無理に使って飲み込むようになります。よくない嚥下の癖がついてくることにつながります。歯列やかみ合わせにも悪い影響が出てきます。
ときに、アデノイド、扁桃腺肥大、アレルギー性鼻炎など鼻疾患による鼻閉や、上顎前突などで唇をうまく閉鎖できないというようなこともあります。これらの疾患が原因の場合は、その原因に対する治療が必要ですが、とりあえず、家庭では、口を閉じて食べられるように姿勢を正しくして、呼吸と摂食とを交互に行えるように落ち着いて食べるようにして、一口量を少なくして、一口の摂取時間を短くする工夫が必要です。

片側だけでかんでいるようですが、心配ありませんか?
原因として、むし歯や歯並びが悪いために片側咀嚼をしていることもありますが、まったくそのような問題がなくても癖で片側咀嚼をする子どもがいます。そのような癖が長く続くと、顎関節の異常が起きて来たり、筋肉の発達に左右差が出て来たりして、顔の発達に影響して顔が曲がって来たりすることもあります。姿勢にも影響すると言う専門家もいるほどです。テレビを横向きに見ながら食べるような習慣も大変よくないことです。左右まんべんなくかめるような習慣をつけるようにしましょう。
歯や口のケガの対処法について教えて下さい。
歯のケガについては「破折」「脱臼」「陥入」の3つに分けて説明します。
1.

破折とは、歯が折れた状態をいいます。
その場合には折れた歯そのものから出血しているどうか、確認して下さい。出血が見られたら直ちに学校歯科医か、かかりつけ歯科医に受診して下さい。出血がない場合には時間的に余裕があります。その際、破折片があれば持っていってください。

2.

脱臼とは、歯が抜けてしまったか、抜けそうな状態をいいます。
抜けてしまった場合は、少量の保存液(なければ、牛乳か生理的な食塩水)をかけてから同じ液を入れた容器に歯を入れて直ちに学校歯科医か、かかりつけ歯科医に受診して下さい。抜けそうな場合も直ちに受診して下さい。

3.

陥入とは、歯が歯茎の中に潜ってしまった状態です。これはケガの程度がかなり重いと考えて下さい。
歯や口の状態以外にも意識があるか確認して直ちに学校歯科医か、かかりつけ歯科医に連絡して下さい。病院への搬送が必要な場合もあります。

口のケガでは、「軟組織外傷」「顎骨骨折」の2つに分けて説明します。
1.
軟組織外傷とは、唇や歯茎や舌のケガをいいます。歯の外傷に伴って起きていることも多いので、この場合には学校歯科医か、かかりつけ歯科医に連絡を取って判断を仰いで下さい。
2.
顎骨骨折とは、上あごの骨や下あごの骨が折れた状態をいいます。歯や口のケガの中では最も重症なものです。意識を確認し、簡単な消毒をして至急に学校歯科医か、かかりつけ歯科医に連絡をとり、病院(口腔外科)に搬送して下さい。
歯科健康診断時に癒着歯(癒合歯)がみられた場合、歯科健康診断票に癒着歯(癒合歯)の歯数は何本とするのか?
癒合歯か癒着歯か解らない場合は癒着歯とし、癒合歯・癒着歯を学校歯科医所見覧に記入し本数は2本とする。
【学術委員長談】癒合歯癒着歯に関して、調査してみたが一歯二歯の区別を肉眼的には困難のようで、もし一歯として前方の歯とするとの決定があっても「どの程度の癒合癒着の状態からなのか?二歯に見えても一歯なのか?」などという疑問に回答するのが難しいと思われる。結論としては、二歯でよかろうと思われる。例えば、BCの下に記号として「ゆ」と記載しておく対応をとる。

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